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キーワード


 大改革を行うとすれば、それは
 状況が好転もしくは少なくとも
 安定しているときである。

 改革それ自体が目的を達したとしても
 必ずやどこかにダメージを残す。悪化
 している状況では、そのダメージが
 とりかえしのつかないほど甚大となる
 ことが懸念されるからだ。
 
 手術でも、健康状況の悪化が
 深刻なときにはリスクが大きすぎる。
 
 これから働く環境、専門的にいえば
 雇用システム、労働市場など、
 大きな改革が必要なのだろう。
 ただ、今の状況では、改革を実行
 することよりも、まずは将来の方向性
 と具体的な仕組みを示す、わかりやすい
 ビジョンの共有だろう。

 かつて日本の雇用システムが礼賛
 された時代の、その強みを示す
 キーワードは、なんといっても
 小池和男先生による
 「異常と不確実性への対応」
 だろう。私はその重要性は今も
 色あせないと思う。

 その後、90年代の「変革」の
 時代のキーワードが人事面では
 「成果主義」「雇用ポートフォリオ」
 であり、労働市場でいえば
 「流動化」、労働政策でいえば
 「失業なき労働移動」であった。

 これらはたしかに時代のキーワードであったが
 未来のビジョンとして長期的に共有される
 キーワードであり続けるかどうかは、個人的には
 やや疑問である。

 だとすれば、非正規が3人に1人となった
 時代の新たなキーワードが求められる。私自身は
 「すべてが自己責任でもなく、かといってすべて他者に
  おまかせでもない、雇用形態の違いを超えた、新たな
 協働型の能力開発システム」の模索ではないかと思っている。
 そのための具体的なキーワードを明確にすることが 
 自分自身の目下の課題である。

2011年10月

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