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ある一日

最近、深刻な顔をしたB君からこんな相談を受けました。

B君 「就労体験が終わった後に、事業主さんから食事に
連れて行ってもらった際に、『ビールは飲めますか』、と
きかれたので、『飲めます』、と答えたら、僕のコップについで
下さった。その後、事業主さんは自分のコップに自分で
ビールをつがれたのですが、そのとき、僕はビールを
ついだ方がよかったのでしょうか。」

私  「ふむふむ、それは、ついだ方がよかったやろうねえ。」

B君 「やっぱりそうでしたか。(がっくりと肩を落とす)」

私  「まあ、そう気を落とさずに。ひとつひとつ経験していきましょう。
では、そんな君に問題です。事業主さんと二人きりのとき、
『今日は車で送っていってあげるよ』、といわれたとき、
助手席か後部座席、君はどちらに座りますか」

B君 (迷わず)「後部座席」

私  「不正解!」

B君 「えー!!!!」(絶句)

私  「君だけじゃなく、みんな『後部座席』っていうねんなー。
『後部座席』は子供か社長の席やねんからよろしく!」

みんな、なんとなく知っていることなんだけれども、
いざ社会で初めてやるシーンになると、戸惑ったり、
失敗したりすることって普通に誰でもあると思う。
学校にちゃんといけてたり、友達がたくさんいたり、
相談できる人がいたりするとそういうことも年相応に
できるようになるのかもしれないけれど、社会的に孤立して、
家族としかほとんど関係のない彼らが、
おっかなびっくりやっていることを誰が責められるのでしょうか。

彼らを見ていると、人は社会で学ぶことってたくさんあるんだなあと思います。
年をとって、年相応じゃないことの恥ずかしさって、
誰でもあると思う。彼らだって同じです。
そういう人が勇気を振り絞ってやっているのです。

失敗するチャンスを与えて下さい。
暖かく、そして厳しくご指導いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
彼らは十分に働ける力はありますので。

井村良英
A´ワーク創造館  TEL06-6562-6142
http://www.adash.or.jp/

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