「若年無業者」の実情と支援を考えるフォーラム
○日時:2005年5月15日(日) 10:00~16:30
○場所:東京しごとセンター 講堂
開会 NPO法人「育て上げ」ネット理事長 工藤 啓氏
子どもでも知りあいでも、困った人がいたらすばやく動けるように、相談・情報収
集ブースを活用して、個人がつながろう。
基調挨拶 厚生労働省職業能力開発局育成支援課
キャリア形成支援室室長 半田 有道氏
若者自立塾というのが今年の7月から全国20ヶ所にオープンする。いまつらくと
も、「明けない夜」なんてない。
報告(1) 『働くことに希望が持てない若者たち』
東京大学助教授 玄田 有史
私たちは少しずつできることをしよう。
私は大学の先生で経済学、専攻は特に労働経済学である。大学の先生なんていう
と、社会のことを知らないと思われるが、結構企業の人とつながっている。
好きな言葉は”打ち上げ”。それによって、”失敗”もある。
(玄田日記「別れはなじみのあの店で」より。)
私の師匠はたいへん立派な先生で、
「テレビに出ると、魂が吸いとられる」といった。
それでも、とくダネ!に出たのは、
「ジョブ・カフェに行ってみんなでラクになりましょう」
がいいたかったから。そのためには、少しぐらい魂を売ってもいいと思った。
現場最前線セッション(1) 『若者が若者を支援する』
コーディネーター 玄田 有史
(財)A’ワーク創造館職員 井村 良英氏
NPO法人 「育て上げ」ネット 安田 英文氏
(玄田)2人ともいちばんいいたいことは?
(井村さん)ちゃんと困る。本気で情報収集。
(安田さん)僕は農作業をやっている。
(玄田)最初に若者がきたら、どうするか。
(井村さん)ものすごい笑顔で迎える。その後連絡がつくようにしておく。
(安田さん)麦わら帽子をかぶって、農作業をするのを見守る。
(玄田)若者はいつまで通うのか?実際に働きはじめるのになにかタイミングはある
のか。
(井村さん)履歴書の書き方は全14回で、若者は回を追うごとに熟成していく。
新聞をとってきたら、たとえば祖父母の介護をしていたといえるネタを作る。そうす
れば、面接に臨める。
(安田さん)特にいつまでときめていないが、早い人は2ヶ月で働きはじめた。
玄田有史は、井村さんに原稿を読むスキを与えず、安田さんのマイクの持ち方が
「カラオケ持ち」だと抜け目なかった。
報告(2) 『教育から労働へ~移行が困難な若者たち~』
(独)労働政策研究・研修機構副統括研究員 小杉 礼子氏
学校を卒業すると、働く。
ほとんどの人(8割)は正社員になったが、10数年前からそれにのれない人が増え
始めた。
とはいっても、やはり2割の人は正社員ではなかったわけで、昔もニートはいた。
ニートになりやすい人の傾向として、学歴が低い・家庭の収入が低いことがあげら
れる。
最近では、ニートが高齢化しており、団塊ジュニアの世代も結構多くなっている。
お話の途中で、玄田有史直伝のコミュニケーション能力を身につけた人たちがうな
ずいた。小杉さんは、「玄田さん効果なのか、うなずく人が出てきましたね。次は首
を横に振る人が出てくるか楽しみです。」と本当に嬉しそうにおっしゃった。
現場最前線セッション(2)
『なぜ移行が困難なのか、どう対応すべきなのか』
コーディネーター 小杉 礼子氏
ウィザス高等学校副理事長、第一高等学院学院長 生駒 富男氏
(財)東京しごと財団東京都しごとセンター
就業支援課職員 竹間みつる氏
(小杉さん)知られていないことの悩みは?
(生駒さん)第一高等学院は20年目を迎えるが、いまだに大検を知らない人がい
る。今年から高卒認定に改まるが、高校を中退しても道はたくさんある。
(竹間さん)昨年の7月26日にオープンしたが、街角カウンセリングをしたり、
ティッシュ配りをしたりして、あれだけPRしているのに、しごとセンターが何をし
ているのか伝わらない。
(小杉さん)若者は変わったか?
(生駒さん)基本的には変わってないと思う。
(竹間さん)私が就職活動をした12,3年前と雇用環境が異なる。
(小杉さん)学校にいるあいだに情報を伝えることが大事だと思うが、どう対応する
か?
(生駒さん)学校外で取得する単位を30単位とし、3泊4日のスクーリングで農業
や蕎麦打ちを体験してもらっている。
(竹間さん)「やりたいことがわからない」という大卒からの移行困難者がおり、団
塊ジュニアの世代も多くなっている。保護者から子へ若い人に働くことの思いを伝え
る。
報告(3) 『英国ニート対策コネクションズ』
放送大学教授 宮本 みち子氏
イギリスのニートは、teenager(13-19歳)の救済が難しい。
木工訓練センターのように、不登校であっても、資格取得を目指したり、Trainingを
することができるところがある。
ニートの人が早く仕事につけることが必要である。
そのために、ニート支援は「早期に」「長期的」「継続的に」行なうことが大切に
なる。
キーワードは、総合性・包括性・個別性
現場最前線セッション(3)
『日本型コネクションズ構築の可能性と課題』
コーディネーター 宮本みち子氏
NPO法人 青少年自立援助センター理事長 工藤 定次氏
大阪大学大学院人間科学研究科・社会学 樋口 明彦氏
(宮本さん)日本でもイギリスのようなコネクションズ(横につながった若者支援)
サービスは構築可能か?
(工藤さん)若者を集め、場の誘導をバラバラにしていたら、効果があがらない。地
域の諸機関をどう集めるかだ。日本には日本にあったやり方があり、イギリスと同じ
ではない。病院のように、マップを作り紹介するなど。
(樋口さん)情報にうまくアクセスできないと、難しい。
(宮本さん)イギリスでは到達目標を「ニートの減少」と明確にしている。日本には
明確な目標があるのか?
(工藤さん)日本は非常に過保護な社会で、会社に入っても5年10年かけて育てて
いくしくみだった。そのいっぽう、子どものことは個人と親の責任にされ、できの悪
いのは相手にされない。意識の一致がないとダメで、内閣府のようなところが権限を
もってやらないとうまくいかないかもしれない。
(宮本さん)過保護なのは誰か?
(工藤さん)大人や親。
(宮本さん)では合意があればいいのか?
(樋口さん)大阪は東京に比べ、情報が到達するのが遅い。合意をまっていられない
し、政策とのリンクがわからなかったりもする。
(宮本さん)イギリスのニートは、どこに行ったらいいか知っている。それは「学校
で教えられた」から。
工藤さんの言葉の重み、樋口さんからの大阪の状況、宮本さんの3つのキーワード
がそれぞれのリズムで人々の心を打っていた。
相談・情報収集ブースも混雑していた様子だった。みんなが少しでも気持ちがラク
になるといい。
講演でも舞台でも、まずやっている者が楽しくなくちゃ、観ているほうはつまらな
い。やっている者の空気が伝染するからだ。
玄田有史は、出演者のなかでもいちばんはしゃいでいた。「若者班」といいつつ
も、自分が青年のようだった。この日は、お客さんも時折笑っていたし、小杉さんの
ひとこともおもしろかった。
あぁ、きょうも楽しかったと思ったら、迷わず飲みに行こう。
思いっきり楽しんだ後は、やけ酒なんかにはないおいしい味がするだろう。
ところで、なぜグラスなのかって。ビールはコップで飲むのに。
コップは英語で glass でしょう。ワインでもビールでもなんでもごされというわ
け。
なんだか飲みに行きたくなってきた。
もちろん、”打ち上げ”の場でも楽しむことを忘れずに。
井上 智晴













コメント (2)
全国の方の関心の高さと熱気に驚き、自分にも「渇」が入った一日でした。興奮してただ話の内容だけ聞いていたのですが、智晴さんの日記を読んでやっと全体の構成が分かった!
投稿者: リコーダー部所属 | 2005年05月20日 21:25
日時: 2005年05月20日 21:25
午前中は立ち見が出るほどであったのに、
午後には空席すら見られるようになったのは如何なものか。
居眠りをしている参加者も、見える範囲に数名居た。
話の噛み合わない、セッションには失笑した。
相談・情報ブースには、関係者が我先にと席を陣取り、名刺交換を行っている風景が頻繁に見られた。
相談しにくかったのか、帰ってしまうご夫婦を見かけたのには心底悲しかった。
ニートを持つ親御さんの切羽詰った気持ちをもっと
配慮をし、関係者用と相談者用にブースを分ける工夫をするなど、改善していくことを望みたい。
投稿者: hirota | 2005年05月21日 17:34
日時: 2005年05月21日 17:34