« 連載してます | メイン | 嫌われモノも福の神 »

回転寿司は、まぐろ・たこ・いか

「起承転結より結結結結」
(”中央公論”4月号)

大石慎三郎先生の

「しゃべることは3つ、反応がよければ4つ、
ノリが悪いようなら2つでやめておく」

が玄田有史の一番いいたかった「結」だろう。

 そういえば、日本には昔から3つ並べた
ものが多い。

かつて日本人が好きだったものは
巨人・大鵬・卵焼き

バブルの頃、女が結婚したい男の条件は
高身長・高学歴・高収入(3高)

最近でも、新三種の神器として、
薄型テレビ・DVD・デジタルカメラ

 いや、日本ばかりではないかもしれない。
オリンピックでメダルがもらえるのは
3位までだし、
世界三大美人(クレオパトラ・楊貴妃・小野小町)
も、世界三大珍味(キャビア・フォアグラ・トリュフ)
も、やっぱり3つ。

 3つは世の中に浸透しているのである。
だが、ここにあげた3つは、すごく人気のある、
稀なものばかりである。

 3高の男なんてなってはみたいがいまの時代
難しいし、メダリストになれるのなんてごく少数
の人。世界三大美人にいたっては・・・・だろう。

 玄田有史は、
「大事なこと、一番伝えたいことは何度も繰り返す」
といっている。
へぇ、くどい。「コロッケの歌」じゃあるまいしと思っ
たりもする。

(「コロッケの歌」:大正時代に流行った歌で嫁さん
が1週間毎日のようにコロッケを作る歌。いくら好き
でも食べるほうは飽きるだろう。)

 回転寿司に行くと、おびただしい数のネタがある。

 まぐろ、たこ、いか、うに、いくら、店によっては
生ハムなんかもある。そのほか、そば、プリン、
ケーキが回ってくることもある。

 メニューや回ってくるネタをみて、高そうなもの、
珍しいものにも確かにひかれる。

だけど、満腹になってみて食べたネタを振りかえ
ると、印象のある味は、まぐろ、たこ、いかだった
りする。

 なあんだ、貧乏性だなぁと思うかもしれないが、
新鮮なまぐろ、歯ごたえのあるたこ、そっくり返って
ないいかなんて、インパクトは抜群だ。何度も食べ
慣れたネタ、気持ちの入ったネタは、最高だ。

ちょっと生臭いうになんかよりずっといい。

(たまに、何周もまわって端のほうでくたびれてそっ
くり返っているいかを見ると、「おぉ、ごくろうさん!」
と声をかけたくなる。
疲れきったおじさんを連想させるが、あの哀愁は
なんともいいがたいものがある。)

 講演でもスピーチでも、かっこつけることなんか
いらないのかもしれない。
変に、アニメーション効果を加えたプレゼンは、
効果におされてわかりにくいし、大事なことが
よくわからない話は、え?とキツネにでもつまま
れた感じがする。

 おもしろい講演やスピーチには、きまって居心地
のよさがある。質問なんか出てくると、なおいい。

 えぇー、原稿も見ず、お客さんの目をみて、3つの
話をするなんてできないよと嘆くあなたへ。

 大丈夫、玄田有史だって今までたくさん失敗した
に違いないのだから。すました顔をしているけれど。

むしろ、自分の話はおもしろいとか、自分は成功
していると思う人のほうが危険ではないか。

 話すときには3つのことを、回転寿司に行くなら、
まぐろ、たこ、いかを。

                 井上 智晴

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.genda-radio.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/12

コメントを投稿

2008年10月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

アーカイブ

仕事とセックスのあいだ ニート-フリーターでもなく失業者でもなく/文庫版 希望学 働く過剰-大人のための若者読本 子どもがニートになったなら 仕事の中の曖昧な不安 A Nagging Sense of Job Insecurity - The New Reality Facing Japanese Youth, LTCB International Library Trust, International House of Japan 14歳からの仕事道(しごとみち) ニート-フリーターでもなく失業者でもなく ジョブ・クリエイション 成長と人材-伸びる企業の人材戦略 リストラと転職のメカニズム-労働移動の経済学 仕事の中の曖昧な不安